コミュニティガイドラインの改定を行います

こんにちは、Qiita開発チームです。

本日はQiitaのコミュニティガイドラインの改定、それに伴う利用規約の改定をおしらせします。
コミュニティガイドラインの変更はコミュニティのあり方を大きく変化させる、重大な決断だと考えています。
ユーザーの皆さま一人一人に影響のある大きな変更なので、ぜひご一読いただければと思います。

改定を行う背景

Qiitaは2011年9月11日のローンチからエンジニアに対してサービスを提供してきました。
この年月の流れの中で、「エンジニア」という職種が担う役割が日々広がってきていると感じています。
中には10年前には存在しなかったような技術を扱う仕事や、直接にはプログラミングをしなくてもエンジニアとして仕事をしている人もいます。

このようにエンジニアという職業が担う役割が広がってきた時代の中で「プログラミング」「プログラマ」という言葉を使い続けることが、Qiitaのコミュニティを萎縮させることにつながっているのではないか、という声をユーザーの皆さまからいただくことが増えてきており、運営としても議論を重ねてきました。議論を通し、より多くのエンジニアにとって役立つ知識が集まる場所にQiitaをしていくため、コミュニティガイドラインの変更を行うことを決めました。

Qiitaは2021年3月現在で会員数が60万人を超えており、記事投稿を行える場として、多くの方に使っていただけるようになっています。

今Qiitaを使ってくださっているユーザーの皆さまにとってより良いプラットフォームになっていくため、今回の変更を行います。

変更の内容

新たなコミュニティガイドライン、利用規約は以下になります。改定は2021年4月30日を予定しています。

  • 利用規約
  • コミュニティガイドライン
  • 今回の改定によって大きく変わるポイントは以下の通りです。

    • プログラミング、プログラマ→エンジニアに変更し、エンジニアの定義を追加
    • コミュニティガイドラインと利用規約の棲み分け

    この2点について説明していきます。

    プログラミング、プログラマ→エンジニアに変更し、エンジニアの定義を追加

    大きな変更点として、Qiitaの思想やコミュニティガイドライン内で使用していた「プログラミング」「プログラマ」という表現を「エンジニア」という表現に変更しました。「エンジニア」という言葉の定義はコミュニティガイドライン内で以下のように定義しています。

    • プログラミングの知識と経験を活用している人

    世の中のエンジニアの定義とは少しずれた定義とはなってしまいますが、Qiitaとして「エンジニア」という表現を使う際は、このような意味として用いていきたいと考えています。

    現在のコミュニティガイドラインでは、プログラミング自体に関連していること、プログラミングを実際に行っている人が情報を発信できるプラットフォームという表現をしています。

    今回の変更をもって、今後は「開発手法」「エンジニアリングマネジメント」「デザイン」「数学」など、プログラミングという手段に関連している、基づいているものであれば全て記事を投稿して問題ないという判断を行います。

    なお、プログラミングという手段に関係しているのかどうか、エンジニアが読んで役に立つ情報なのかどうかはユーザーの皆さまに判断をお願いしたいと思っています。
    改定を行う背景にも書いた通り、エンジニアリングや、それを取り巻く環境は日々変化し続けています。
    この変化に柔軟に対応していけるように、ユーザーの皆さまからのご意見を元に、Qiitaに投稿されていて問題のない記事なのかどうかの判断を行っていきたいと思っています。

    コミュニティガイドラインと利用規約の棲み分け

    今回のコミュニティガイドラインの改定に伴い、利用規約とコミュニティガイドラインの関係性も見直しています。

    現在のコミュニティガイドラインは、「利用規約の一部としての効力をもつ」という扱いになっています。よって、利用規約には書かれておらず、コミュニティガイドラインにのみ書かれているような内容などもあり、Qiitaのあり方が2つの文章に分散してしまっているような状態になっていました。そこで今回、コミュニティガイドラインと利用規約の関係を以下のように改め、よりQiitaがどういうサービスなのかを理解しやすい状態を目指します。

    • コミュニティガイドライン: Qiitaが目指すコミュニティや、行動指針を定める
    • 利用規約 : コミュニティガイドラインを元に、Qiita内での具体的なルールを定める

    今後はコミュニティガイドライン自体が規約と同等の効力を持つことはありません。その代わりに、利用規約はコミュニティガイドラインを元に定められるものとし、コミュニティガイドライン内に記している禁止行為などは利用規約に含まれるような関係性になります。

    FAQ

    どんな記事を書いても良くなるの?

    「変更の内容」でも述べたとおり、Qiita上ではエンジニアの定義を以下のように定めます。

    • プログラミングの知識と経験を活用している人

    Qiitaは今後「エンジニアにとって再利用性・汎用性の高い情報が集まる場」となることを目指します。
    よってQiitaにもエンジニアにとって再利用性・汎用性の高い情報だと判断できる記事を投稿していただきたいです。
    以下のようなイメージを持っていただけるとわかりやすいかと思います。

    Qiitaで投稿することが望まれる記事

    • 自分以外のエンジニアにとっても価値のある情報
      • プログラミング
      • インフラ(OSや各種ミドルウェア、クラウドインフラ含む)技術
      • エンジニアマネジメント
      • エンジニアのキャリア論
      • デザイン
      • 数学
      • 開発手法
      • 設計
      • etc

    今回の改定は「現在のガイドラインよりも拡張性を持たせた定義にする」ことを目的にしています。
    ここに書いた例だけではなく、エンジニアにとって再利用性・汎用性が高いと感じる情報は是非記事として投稿していただきたいです。

    なお、エンジニアに関係するかどうかは、コミュニティの意見を尊重して判断を行なっていきます。その判断は、技術進化や社会状況により変遷していくと思いますが、現時点のQiitaにはそぐわないと感じるものについては是非ご意見をお願いします。

    Qiitaで投稿するべきではない記事

    • 特定の誰かにのみ価値のある情報
      • テスト記事
      • 自分だけしか理解できない表現などを用いたメモ
      • 自己紹介記事
      • 日報など、内容が他者に向けた情報ではない記事
      • etc

    興味のない記事で溢れかえりそうで不安

    今後はQiita内でのエンジニアの定義が現在よりも拡張性のあるものになるため、投稿される情報もより多様になると予想しています。
    それも踏まえ、運営では「ユーザーの皆さまそれぞれが興味のある情報が得られる」という体験の研究、機能改善を行ってきました。先日行わせていただいたフィード機能のアップデートもその一環です。

    https://blog.qiita.com/feed-update-202103/

    今後もユーザーの皆さま一人一人が発見を楽しめる場所を目指し、改善を継続して行っていきます。

    今後について

    これからも改善に取り組んでいきます。ご意見ご要望がありましたらいつでもお寄せください。
    ご意見フォーム

    最後に

    いつもQiitaをご利用いただき、ありがとうございます。
    Increments代表の柴田です。

    今回の改定は約1年前から具体的に検討を進めておりましたが、コミュニティガイドラインの改定は運営から一方的に実施するものでは無いと私達は考えていました。

    そのためガイドライン改定に向けて私達は、ユーザーの皆さまの多様性に対応できる機能提供(フィード機能の改善)や、意見を取り入れるためのベータ版機能の提供、運営からのオープンな情報発信の強化、コミュニティの安全な運営のための社内体制強化などを、この1年間取り組んでまいりました。

    まだまだ不足している点も多い中ではありますが、今後もユーザーの皆さまと共にQiitaを発展させていくという強い気持ちを持って日々運営を続けていきますので、よろしくお願いいたします。

    Increments株式会社
    代表取締役社長 柴田健介