Qiitaの「いいね」が「LGTM」に変わります

こんにちは、Qiita開発チームのgetty104 です。

今回は2020/03/12にリリースした、QiitaのLGTM機能について、その背景と目的を説明します。

背景

Qiitaについて

Qiitaは2011年にリリースして以降、ありがたいことに順調にユーザー数が増えていき、2020年の現在では毎月700万人を超えるユニークユーザー(UU)が訪れ、6000万PVのページアクセスがあり、毎日300件以上の記事が投稿されるようになりました。エンジニア向けWebメディアとして業界トップシェアを獲得し、国内エンジニアのほぼ100%が利用するサービスとなっています。

Incrementsの全社戦略

IncrementsではQiitaの他に、エンジニア向け転職支援サービスであるQiita Jobsや、社内向け情報共有サービスであるQiita Teamも開発・運用しています。また今年、Qiitaのオーディエンスデータを使った広告配信サービス、Qiita DSPの提供も開始しました。このように、IncrementsではQiitaを中心に、Qiitaの思想やブランドを継承したサービスを展開しています。

上記はIncrementsにおける全社戦略図です。主にQiitaから集まった、

  • 記事の評価数
  • タグごとの投稿数
  • ユーザー同士、ユーザーとOrganizationのソーシャルグラフ

などのデータを蓄積したエンジニアデータベースを、Qiitaの改善はもちろん、Qiita JobsやQiita Team、広告事業で利用することで利益を創出し、それをまたQiitaに投資しています。

エンジニアデータベースの中でも「記事の評価」は、Qiitaにしか集まっていない情報なので、特に重要であると考えています。

「いいね」から「LGTM」に

記事の評価はこれまで「いいね」という名前の機能で提供してきましたが、他のSNSやコミュニティ系サービスでもよく使われるラベルと同じなので、記事の内容をほとんど読まなくてもつい「いいね」している、ということがわかりました。また、技術情報が主題でなくても、ただ面白い記事であれば「いいね」が多く押されているような状況にもなっています。

前提として、Qiitaの「いいね」は他のSNSにある「いいね」とは少し異なる意味を持っています。Qiitaでは、技術発信を行い、それを見て役に立った、面白かったということを「いいね」を介して評価し、その評価が発信をした人のエンジニアとしてのアイデンティティを確立する世界を目指しています。他のSNSではあまりない、コメントや投稿した記事、編集リクエストを送った記事などについた「いいね」の重み付けされた総量が「Contribution」として表現されることからもその意図は伝わるかと思います。

Qiita運営としても、流れてきた記事に「いいね」するのではなく、しっかりその内容を読んで、その内容が少なくとも自分にとって良いものだと思ったときに「LGTM(Looks Good To Me)」と言ってもらった方が良いと考えました。これまでと同じように緑色のボタンを押すというインターフェースは変わっていませんが、反射的に押すのではなく、一度その対象をよく見てから押してもらえるようになると幸いです。

LGTMという言葉は、エンジニアがコードレビューをするときにも用いるワードで、エンジニア文化に馴染みのあるワードだったので採用することになりました。

LGTM、ストックの使い方はそれぞれ以下に記載されています。
https://help.qiita.com/ja/articles/qiita-like
https://help.qiita.com/ja/articles/qiita-stocks

LGTMアイコン

今回「いいね」を「LGTM」に変更するにあたり、より視覚的にも伝えられるようにアイコンも変更しました。これまでと同じ「Thumbs Up」のアイコンでも十分に「LGTM感」はありましたが、LGTMはQiitaのアイデンティティとなる重要なアクションなので、FontAwesomeのアイコンを利用し続けるのではなく、新たにデザインしました。

昨年末に変更したQiitaのロゴタイプと同じ、Codec Coldというフォントを用いています。

また、ボタンとして使われることもあるので、上記はそのデザインです。「LGTM済み」のときは「L」が回転してチェックマークに見えるようにしています。

あわせてストックアイコンも変更

「いいね」が「LGTM」に変わっただけではなく、これまでのストックアイコンも変わっていることにお気づきの方もいると思います。LGTMのアイコンに変わったことにより、それに並んで表示されることが多いストックアイコンの見た目も同時に変更しました。ストックは今まで通りお使いいただければと思っています。

LGTMアイコンと並んでも違和感のないように、LGTMアイコンのラインと同じ太さのアウトラインアイコンに変更しました。大量にある技術情報の中から取っておきたいものをポケットにしまうイメージでデザインしています。


Qiita では上記のような思想、考えに基づいてサービスの運営、改善を行なっています。今回の変更からこうした思想を皆さんにより理解してもらい、使いやすい場所にしていこうと考えています。
引き続き Qiita をよろしくお願いします。